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2006.03.18

OSC2006 オープンソースとサスティナビリティ

情報技術標準化研究センター(INSTAC)の「オープンソースソフトウェアに関する標準化調査研究」WG1の成果発表と考えておけばいいのかな。

内容のまとめ

内容の中心は、オープンソース活動の標準モデルにおける OSS ハブ機構の実例について。ここでいう標準モデルとは、INSTAC OSS の定義した参照モデルで、平成16年度の報告の「オープンソース・ソフトウェアに関する標準化調査研究」の P.18 の 図5 あたりを指している。このモデル中で開発者とユーザの間に登場するのが「OSS ハブ機構」。一般的なオープンソースプロジェクトにおけるファウンデーションやユーザ会がこれに相当する。

平成16年の活動として、これらモデル定義や一般的な分析を行ったので、17年は実際の OSS ハブ機構に相当する組織についてレポート。前述の報告書におけるファンクション・プレーヤマップ(P.30)をそれぞれの OSS ハブ機構にあてはめて、カバーする領域を示したり、活動の傾向などについて。

詳しい話は、INSTAC のほうにそのうち報告書がでるんじゃないかと期待。

感想など

以前に『Producing Open Source Software』(Karl Fogel)を読んだときに、オープンソース活動におけるマネジメントやコミュニティのコントロールという側面に関心を持ったのが、このセッションに参加したきっかけ。

オープンソース活動の参照モデルを定義し、それに基づいてコミュニティの活動領域を分析していくという手法は、やや地味だけれどおもしろい。タイトルからは内容の想像がつかなかったのだけど、先に平成16年の報告書を読んでおけばよかったとちょっと後悔。

紹介されたハブ機構のなかでは、Software Freedom Law Center が特定のソフトウェアに特化していないという意味で珍しいのかな。それぞれのソフトウェアのハブ機構と「契約する」という形で、法的なサポートを提供するというのも、考えてみれば当たり前なのだけど面白かった。また、法人格を持つということが重要という PostgreSQL ユーザ会と、ビジネスを重視する Zope Foundation のアプローチのちがいも、それぞれのソフトウェアの特性なのか、コミュニティの性格的なものなのかは考えてみると面白いかも。

セッション自体については、見せ方とか話し方にそれなりの工夫がほしいとこ。かなり集中してないと、何を言ってるのかすぐにわかんなくなってしまった。けっこう内容的にはおもしろかったと思うんだけどね。

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